地方でサークルを立ち上げようとする君に伝えたいたった1つのこと

サブタイトル —ぼくらのバドミントンレベル0【出会って○秒でお触り編】—

2021年1月31日にザキオカバドミントンサークルは産声を上げました。ですから2022年1月で1周年です。

そんな記念すべき月に、サークルの人の集め方について書いていこうかと思います。きっとこの話は、「サークル作りたいんだけど、どうすれば?」とか「どうやって人を集めたらいいのだろう?」とか疑問に思っている人の役に立つはずです。

はじめの一歩は最小の一歩でいい。そんな迷えるおじさん子羊の背中をおさんとすべく、この水島という平均年齢高めでスーパーに行ったら高齢者ばっかりだし、若い人がいるかと思えば元ヤンキーみたいな小汚い風貌のやつらばっかりだしで、人集めとしては最低ランクの地域でサークルを始めた経験について書いていきます。(逆にいえば、高齢者かマイルドヤンキーを集めたいならうってつけの場所だお!)

さてさて、サークル活動で一番大切なのは、なにはともあれ人数です。人数がいなければ安定して活動することはできません。

ではどうやって人数を確保していくのか?

ネットです。今の時代、スマホとネットを使わない手はありません。ネットで人を集めるのが基本戦術です。

と、一丁前に偉そうなことを書いていますが、私はネットを使って人と出会うなんてこれまでやったことはありませんでした。

私はガラケー世代です。スマホ世代の人からすると「ガラケーっておばさんおじさんたち、いわゆる、旧世代の人たちが使ってるやつでしょ?スマホがあるのにいまだにガラケー使ってるなんて、本当に頭硬いよね。ワロスワロス」と思われているガラケーですが、中学生のころの私たちにとっては喉から手が出るほどほしかったものなのです。

「ガラケーさえ…ガラケーさえあれば、彼女と毎日連絡できる!」と、彼女もいないのに妄想したもんです。

とはいえ喉から手が出るほど欲しかったガラケーでも、できることといえば電話とメールでした。たったそれだけでした。

そんなガラケー時代に生きた私たちにとっては、ネットは奥行きが30cmくらいあるパソコンを使ってやるものでした。パソコンも一家に一台という時代ではなく、学校のパソコン室か、同級生のエ○ゲーに精通してそうな歳の離れたお兄さんの部屋にしかありませんでした。

スマホ世代では「ネットを使って知らない人とコミュニケーションをとる」というのは当たり前のことなのかもしれませんが、ガラケー世代ではそんなことはなかったのです。

というか親や中学校の先生からは「インターネットを使って人と会ってはいけません!インターネットで知り合おうとする人は危険な人たちです!」と、叩き込まれました。ガラケー世代にとってネットを使って人と出会おうとする輩はいかがわしい人たちだったのです。

10代に教わった教育というか洗脳に近いものはなかなか抜けないため、スマホを手にしたとしてもそう簡単には「ネットを使って人と出会っちゃうよ〜」みたいには考えを切り替えられませんでした。「ネットで人を集める」というのは、私にとってとてもハードルが高いものだったのです。

だがその教えを破るときがきました。高齢者&マイルドヤンキーが支配しているこの地域で、バドミントンをやってくれそうな人を見つけるにはネットの力を使わざるをえないのです。

父上、母上、そして先生、教えを破ります。(気持ち的にはNARUTOのロック・リーが蓮華を繰り出すときの心境と同じです)

というわけで、さっそくジモ〇ィーと呼ばれるゆるふわ出会い系みたいなサイトを使って募集してみました。ドキドキ。どんな人がくるのだろう。

もしかしたら…たとえその可能性が1%もないとしても、プリティーウーマンが連絡してきてくれるかも。ドキドキ。ワクワク。プリティーウーマンと楽しくバドミントンできたら最高だなぁと下心が出てきたりします。いかんいかん。そんなことでは卑下すべき対象のTi〇derアプリ使いと同じではないか。彼らと同じようなモラルレベルにまで自分を落としてはいかん。

そんな葛藤をしながら、募集を開始してぼんやり1時間ほど過ごしていると、ジモ〇ィーより連絡が来ました。

キタ!こんなに早く連絡が来るとは。ドキドキ。どんなプリティーウーマンなのか。いや、プリティーウーマンと決まったわけではないけれど、期待してしまうぞ。本○翼似かな。橋本環○似かな。

ドキドキ。緊張のメッセージ開封の時なのです。

トン×2「アラフィフの初心者おっさんですが、参加していもいいですか?」

ちくしょーーーーーーーーーーーーーッッッ

父上、母上、そして先生の教えに背いたのに結果がこれか…。ネットの洗礼を受けたようだ。人生そんなに甘くない。

はぁー。はぁーぁ。気分がのらねぇ。

というか、アラフィフのおっさんがトンってどうよ。「豚」をかわいらしく「トン」って書いてるんだろうけど、全然かわいくねーっつーの。おっさんが可愛さを狙ってることほど、気持ち悪いことないっつーの。

もう受け入れてくれください。ありのままのおじさんの姿を受け入れてください。ほら、松たか〇も歌ってたじゃないですか。「ありのーままのー姿見せるのYO ありのーままのー自分になるNO」みたいなの歌ってたでしょ。あれですよあれ。

どうしても豚系でお茶目にしたいのであれば、せめてそれを笑いにできるように「過体重汗汁ダクダクおじん豚」とかにしといてください。そんな名前にしておいてくれたら、こちらもブロックするのに心が痛まないからさ。その名前で受け入れてくれてるサークルを探してくださいよ。

そんなことを心の中で思いながら、上っ面だけが取り柄の私は「いいですよ〜!」みたいな返信をしたのでした。(そー○のことです)

初心者アラサーバドミントンサークルのところに、アラフィフが加入したとしたら…平均年齢が40代くらいの初心者バドミントンサークルになるってことよね。そんなサークル、誰が応募してくるのよ?もう終わった。解散だ。終了だ。

と、サークルの未来に絶望していたら、またジモ〇ィーから連絡が来ました。

キタ!今度こそはプリティーウーマンだよね?そうだよね?白○麻衣似かな?佐○木希似かな?

糞豚「20代ですが、参加いいですか?」

ちょっと待ってくれ。名前にインパクトがありすぎだって。どういう精神構造してたらそんな名前をつけるんだよ。そんな名前でサークルに応募するってなんなの?応募する気が最初からないでしょ。釣りなの?釣りだよね?じゃないとおかしいよね。こえーよ。

というかまたしても豚かよ。サークルの募集を始めて2時間もしないうちに豚二頭から連絡があるってどうなってんだよ。ジモ〇ィーって養豚場なの?ぼくが間違えてるの?豚専のネットの世界に足を踏み入れたぼくがミスってるの?

父上、母上、そして先生、教えの通りでした。ネットで人と会うのは危険すぎます。というかまだ人にすら会えてません。豚人ばっかりです。やばいです。

そんなことを心の中で思いながら、上っ面だけが取り柄の私は「いいですよ〜!」みたいな返信をしたのでした。(そー○のことです)

こうなったらヤケだ。豚人と水島体育館で体臭と汗を撒き散らしてやる。決めた。サークルの目標は『水島体育館を汚染し、支配すること』にしよう。どうせいずれは自分も腹がでたアラフィフ髪薄汗汁臭ブリーフ染有おじんになるんだ。いまだって50歩100歩だ。仲間だ。

そして豚人と会う日を迎えました。まったく気が進まないけども。

父上、母上、そして先生、今日はじめてネットの住人と出会います。人寄りの豚なのか、豚寄りの人なのか、確かめてこようと思います。(トン×2のほうはドタキャン&以後返事なしだったので、ブロックしてさようならしました)

一歩一歩、いままでの人生を振り返りながら水島体育館の階段を登ります。

そして最後の一段。これを登ったら糞豚さんがいるはず。ジモ〇ィーの連絡によるともう着いて待ってるとのこと。

どんなやつなんだろう。名前が名前なので、く〇りの売人や、人身○買を生業にしているお方、男のお尻のあ〇を狙うハンターの可能性だってあります。(注:メンバーのあ○のことではありません)

最後の一段登ったよ。ワイ、登ったよ。

いた。いたよ。きっとあれが糞豚さんだよ。遠目でも分かるよ。だって服がピチピチなんだもん。でも脂肪ではなく筋肉でピチピチだよ。腹回りがピチピチなのではなく、胸と肩周りがピチピチなんだよ。

そっと耳を澄ますと、糞豚さんが着ている服の繊維たちの声が聞こえてきました。

服の繊維くん「みんなー、手を離すな!!!手を離したらおれたちちぎれちまうぞ。絶対に手を離すなよ!!!そしてこの服を着てる人、頼む、頼むから、次回からは2ランク上のサイズを着てくれ。せめて1ランク上のサイズでもいい。服のサイズ選び間違ってるから!あなたは着丈でサイズを選んじゃダメなんだ!胸囲で選んでくれ!頼む、頼むから!おれたちはもうだめだ。このシーズンが限界だ。でもせめて、せめておれたちの犠牲を無駄にしないでくれ!!次からは繊維にかかる負担の少ないサイズを選んでくれ!うわわわああああぁぁぁブチブチブチィ」

繊維たちの声が聞こえてきます。魂の悲鳴が聞こえてきます。でも繊維たちのいう通りだ。ちぎれんばかりの服の膨張率だ。筋肉が凄すぎる。糞豚さんを怒らせたらとんでもないことになりそうだから、言動には注意しないとだな。

心を引き締め、糞豚さんに挨拶しに行くことにしました。

「こんにちはー。今日はよろしくお願いしますー」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

丁寧な挨拶だ。糞豚という名前なんだけど、すごくまともだ。意外だ。人は見かけによらないというが、名前にもよらないようだ。

会話の糸口をつかむために、とりあえず筋肉についてほめることにしてみました。たぶん、「自分なんてまだまだですよー」とか言うのだろうけど、無言になるよりはマシだよね。

「すごい筋肉ですねー」

糞豚さんはニヤっと笑みを浮かべてこう返答しました。

「触ります?」

ちょっと待ていぃぃ。いやいや、その返答パターンは想定していない。いやだ。触りたくない。なんで出会って数秒でムキムキ男の筋肉を触らないといけないんだよ!いや、数秒であっても数ヶ月であっても数年であっても男の体なんて触りたくねーよ!

というかその返答おかしいだろ。なんでためらいもなくその言葉が出てくるんだよ!女性ではないけれど、自分の身体は大事にしろよ!初対面の男に体を触らすんじゃないよ!お父さんとお母さんが泣いてるぞ!

困った。非常に困った。「嫌です!触りたくありません!」なんて口が裂けても言えない。だって「俺の筋肉を触りたくないだと…?」と、糞豚さんの機嫌を損ねたら、服の繊維と同じようにひきちぎられるかもしれないもん。口に両手の指を入れられて、左右に引っ張られて頬を裂かれるかもしれないもん。こわい。

あれだ。きっと筋肉界では筋肉をほめられたらその筋肉を相手に触らせてあげる、というのが『お約束』なんだ。変な意図があるわけじゃないんだ。そうだ、きっとそうだ。

郷に入っては郷に従え。筋肉界の『お約束』を信じよう。

でもやっぱり触りたくない。触れるか触れないかのギリギリを攻めよう。ファンデルワールス力が働く力で、触ったと認識させよう。

「では失礼します」

なに言ってんだ自分、と思いながら、糞豚さんの丸太のような肩周りの筋肉に手を伸ばしました。

父上、母上、そして先生、教えに背いたばっかりに、出会ったばかりの見ず知らずの男の筋肉を触ることになりました。

肩の筋肉をふわっと触って、糞豚さんの顔をチラッと見てみると、

「ん?もっと強く触っていいんだよ。ぎゅっとしてみてもいいんだよ?」

というような得意げというか、もう少しで満足そうな顔でこちらを見ていました。

父上、母上、そして先生、教えに背いたばっかりに、ぼくのお尻のあ○が危険かもしれません。今日、穢れてしまうかもしれません。(注:メンバーのあ○のことではありません)

どうやら地雷を踏んでしまったようです。筋肉界の『お約束』と信じていたのだけれど、これはゲ○界の『お約束』だったのかもしれません。互いの筋肉を褒め合い、筋肉の膨張率を確かめ合う作業を通して、「これはいける/いけない」を判断していくのでしょう。そして徐々に上半身から下の筋肉を褒め合い確かめ合いながら、最も膨張するであろう球海綿体筋……

ダメだ。恐ろしい。なんて恐ろしいことを想像してしまったんだ。

違う。ワイは男性は無理や。無理なんだー。LGBT系の人に偏見はない。でも偏見がないからと言ってOKということではない。頼む。許してくれ。怖い。

糞豚さんのプロテインバーが迫ってくる…

って恐怖に怯えていたのですが、杞憂に終わりました。

糞豚さんは高校の時に1年間くらいバドミントン部だったそうです。彼とはいい感じの勝負ができました。バド歴3年未満の人とは楽しく戦えるレベルなのかもと、ここで実感しました。

さてさて、このサークルにきたことのある人だったらもうお分かりの通り、糞豚さんとはひろ〇さんのことです。普通にいい人です(たぶん)。

いまとなってはひろ〇さんは、このサークルの中核メンバーになっています。彼がいなければこのサークルは一年も持たずに消滅していたでしょう。そんなサークルの中核メンバーになる人にネットを通じて出会っているのですから、ネットのポテンシャルは侮れません。

では、以上を踏まえた上で、サークルをつくろうとする人に簡単なアドバイスをしてみます。

サークルをつくることは一旦諦めろ!危険だ!危険すぎるぞ!!!!

まず他のサークルに入るんだ。若い男性と若い女性がいい感じの比率になっているところを探すんだ!!!!

それでもサークルをつくりたいのであれば、引っこ抜け!!!他サークルで仲良くなった人を自分のサークルに誘うんだ!!!

「それはちょっとひどいんじゃ?」と思うかもしれないけれど、1からサークルをつくってやべーやつと会う可能性のリスクとリターンを考えたら、仕方がない!!!身の安全が第一だ!!!

繰り返し言うぞ。サークルはつくるな!まずは他のサークルに入るんだ!!!

現場からは以上です。

~ザキーウォーズ エピソード0/ ファントム・メナス~(終)

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